ADHDや精神障害の方も
安心して働ける福祉サービス
【はじめに】
A型事業所とは?その目的と役割
就労継続支援A型事業所(以下「A型事業所」)とは、障害や難病を持つ方が、一般就労へステップアップするための「雇用型」の福祉サービスです。企業と雇用契約を結び、最低賃金以上の給与を受け取りながら、働く力を身につけていきます。
A型事業所は、「働きたい」という気持ちを持つ障害者が、安定した環境の中で社会参加できる貴重な場所であり、本人の自立支援だけでなく、地域社会とのつながりを築く重要な役割も担っています。
では、どのような人がA型事業所の利用対象となるのでしょうか?この記事では、**「A型事業所の対象者」**について詳しく解説し、ADHDや精神障害を持つ方が利用できる条件、手続き、よくある質問まで網羅します。
【目次】
1. A型事業所とは何か?B型との違いは?
A型事業所は、「雇用契約を結んで働く」という点が最大の特徴です。最低賃金が保証されており、労働者としての権利も守られています。一方で、B型事業所は雇用契約を結ばず、工賃という形で報酬を受け取る非雇用型です。
| 種類 | 雇用関係 | 賃金 | 対象 |
|---|---|---|---|
| A型事業所 | あり(雇用契約) | 最低賃金以上 | 就労意欲と能力がある人 |
| B型事業所 | なし | 工賃(数千円〜) | 働くのが困難な人 |
A型は「働く力をつけたい人」、B型は「無理せず作業を続けたい人」に向いています。
2. A型事業所の対象者とは?

2-1. 年齢制限と基本条件
A型事業所に入所できるのは、18歳以上65歳未満で、以下のいずれかに該当する方です。
2-2. 対象となる障害の種類
- 身体障害(身体障害者手帳)
- 知的障害(療育手帳)
- 精神障害(精神障害者保健福祉手帳)
- 発達障害(ADHD、ASDなど)
- 難病(対象疾患に該当するもの)
2-3. 手帳がない場合は?
障害者手帳がなくても、医師の診断書や意見書があり、市区町村が就労支援の必要性を認めた場合、対象になることがあります。最近では、手帳を取得していないADHDやうつ病の方がA型に通うケースも増えています。
3. ADHDの人も利用できる?
結論から言えば、ADHD(注意欠如・多動症)の方もA型事業所の対象になります。

3-1. ADHDとは
ADHDは神経発達症の一つで、「不注意」「多動性」「衝動性」が特徴です。就労場面では以下のような課題が起こることがあります:
- 集中力が続かない
- 忘れ物やミスが多い
- 指示の聞き漏れ
- 感情のコントロールが難しい
3-2. A型事業所が向いている理由
A型事業所では、スタッフの見守りや指導のもと、比較的シンプルな作業からスタートできるため、ADHD特有の特性にも配慮された支援が期待できます。
4. 対象になるための手続きと流れ
1
診断を受ける
まずは精神科や心療内科で診断を受けましょう。すでに診断を受けている人は、主治医にA型事業所利用の相談をして、意見書や診断書を発行してもらう必要があります。
2
市区町村に申請
「障害福祉サービス受給者証」の申請を、住民票のある市区町村で行います。必要な書類は以下のとおりです:
- 診断書・意見書
- 本人確認書類
- 印鑑
- 相談支援事業所でのサービス等利用計画書(作成してもらう)
3
A型事業所と面談・体験
受給者証の発行後、気になるA型事業所に見学・体験に行き、スタッフと一緒に仕事内容を確認します。合意すれば雇用契約を結び、利用がスタートします。
5. 利用前によくある質問(Q&A)
- Q1:週何時間から働けるの?
- → 一般的には週20時間以上を目安としますが、事業所によって柔軟に対応可能な場合もあります。
- Q2:体調に波がある場合はどうなる?
- → 勤務時間や作業内容を柔軟に調整してくれるA型もあります。面談で正直に相談しましょう。
- Q3:手帳がないけど診断だけある。それでもOK?
- → 医師の診断書と受給者証があれば利用できます。
6. 自分に合ったA型事業所を探すポイント
● 支援体制の有無
→ 作業指導員、生活支援員、職業指導員がしっかり配置されているか。
● 作業内容の適性
→ 軽作業(シール貼り、梱包など)、パソコン業務、調理補助など、自分の得意に合った業務があるか。
● スタッフの雰囲気や理解
→ 精神・発達障害への理解が深いスタッフがいると、安心して働けます。
● 離職率や定着率もチェック
→ 長く続いている利用者が多い事業所は、環境が良い傾向にあります。
7. まとめ
A型事業所は、ADHDや精神障害、発達障害を持つ人でも、安心して働きながら成長できる場所です。対象者には手帳の有無は必須ではなく、医師の診断と市町村の判断で利用できる場合も多くあります。
就労に不安がある方でも、A型事業所をステップにして、将来的には一般就労へ進むことも可能です。
「働いてみたい」「社会とのつながりを持ちたい」そんな気持ちがあれば、まずは地域の相談窓口に問い合わせて、第一歩を踏み出してみましょう。

