特定求職者給付金とは?A型退職者が利用できる可能性

2026.04.16

特定求職者給付金とは?A型退職者が利用できる可能性

就労継続支援A型事業所(A型)を退職し、一般就労を目指して求職活動を行う際、雇用保険の「基本手当」(いわゆる失業手当)の受給資格を満たさない場合があります。このような方々を支援するための制度の一つが、「特定求職者給付金」です。

「特定求職者給付金とは、具体的にどんな給付金なの?」「A型事業所の退職者が基本手当を受け取れない場合でも、利用できる可能性はある?」

このコラムでは、特定求職者給付金の制度の概要、A型事業所の雇用契約との関係、そして利用できる具体的な条件について解説します。

1. 特定求職者給付金とは?その目的と基本手当との違い

特定求職者給付金は、雇用保険の加入期間が短く、基本手当の受給資格を持たない求職者を対象に、職業訓練期間中の生活を支援するために創設された制度です。

職業訓練受講給付金の一つ

この給付金は、ハローワークの支援指示を受けて職業訓練を受講する方に対して支給される「職業訓練受講給付金」の一部です。

給付金の種類 雇用保険の基本手当 特定求職者給付金
根拠法 雇用保険法 雇用保険法 附則(職業訓練の受講促進)
受給資格 離職前2年間に12ヶ月以上の雇用保険加入期間 雇用保険の基本手当受給資格がないこと
主な目的 失業中の生活保障 職業訓練受講中の生活保障と再就職支援

基本手当の資格がない場合に利用する制度

A型事業所の雇用契約に基づく勤務であっても、雇用保険の加入期間が短い(12ヶ月未満)、あるいは加入要件を満たしていなかったなどの理由で基本手当の受給資格がない場合に、特定求職者給付金の対象となります。

2. A型退職者が特定求職者給付金を利用できる可能性

A型事業所を退職した方がこの給付金を利用するためには、雇用保険の資格有無世帯の収入要件の二つを満たす必要があります。

① 雇用保険に関する要件

特定求職者給付金の対象となるのは、「基本手当の受給資格がない」ことが前提です。A型事業所での雇用契約に基づき、雇用保険に加入していたか、加入期間がどれくらいかを確認します。

② 世帯収入と資産に関する要件(訓練受講給付金の要件)

この給付金は訓練期間中の生活支援が目的であるため、世帯の経済状況が審査されます。以下の要件をすべて満たす必要があります。

  • 本人の収入:月8万円以下(交通費、障害年金などの非課税収入は除く)
  • 世帯全体の年間所得:300万円以下
  • 世帯全体の金融資産:300万円以下
  • 現在住んでいる場所以外に土地・建物を所有していない
  • 過去に不正行為による給付金の支給を受けていない

障害年金の取り扱い

A型事業所の給与とは別に受給している障害年金は非課税所得であり、この特定求職者給付金の収入要件(月8万円以下)の算定には含まれません。これはA型退職者にとって大きなメリットです。

3. 受給できる給付金の内容と流れ

特定求職者給付金を受給するためには、ハローワークの支援を受けて職業訓練を始めることが必須です。

支給される金額(月額)

給付金は、以下の2種類が月額で支給されます。

  • 職業訓練受講手当: 月額10万円
  • 通所手当: 職業訓練施設までの交通費(上限あり)

受給までの流れ

  1. ハローワークに相談: まず、A型事業所の離職票を持参し、ハローワークで基本手当の受給資格がないことを確認します。
  2. 訓練の申し込み: ハローワークの担当者と相談し、再就職のために必要な職業訓練(例:PCスキル、介護など)を選び、申し込みます。
  3. 審査: 世帯収入や資産の要件を満たしているか、ハローワークで審査を受けます。
  4. 訓練受講と給付: 訓練期間中、原則として毎月ハローワークに出頭し、訓練への出席状況を確認された上で給付金が支給されます。

4. まとめ:基本手当の資格がない場合の有力な選択肢

特定求職者給付金は、A型事業所での雇用契約に基づく勤務を終えた後、雇用保険の基本手当の受給資格がない場合に、職業訓練を通じて再就職を目指す方を経済的に支援するための重要な制度です。

A型事業所の給与や就労実績に関わらず、世帯の経済状況と訓練への参加意欲があれば利用できる可能性があります。退職後、速やかにハローワークに相談し、ご自身の受給資格を確認しましょう。

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