定着支援期間中の転職:サポートは継続されるか?

2026.08.27

就労継続支援A型事業所(A型)での勤務を経て一般就労へ移行した後、さらなるステップアップや職場のミスマッチ解消のために、転職を検討される方もいらっしゃいます。

このとき、「現在の就労定着支援サービスは、新しい職場でも継続して受けられるのか?」という疑問は、キャリアプランを計画する上で非常に重要です。

結論から申し上げますと、就労定着支援サービスは転職後も原則として継続して利用可能です。このサービスは特定の企業に対してではなく、一般就労の維持を目指す個人(あなた自身)に付随するものだからです。このコラムでは、定着支援が継続される仕組みと、A型事業所での実績を活かして次の転職を成功させるための具体的な戦略を解説します。

1. 定着支援継続の原則と期間の計算ルール

就労定着支援は、障害を持つ方が一般企業で長く安定して働くこと自体をサポートするサービスです。そのため、働く会社が変わった(転職した)からといって、支援が途切れてしまう心配はありません。

① 利用可能期間は「最初の一般就職日から通算3年間」

就労定着支援の支給決定期間は、A型事業所等を退所して最初に一般企業へ入職した日から起算して最大3年間(36ヶ月)と定められています。

期間計算に関する重要な注意点

支援期間のカウントは、途中で仕事を辞めて次の就職先が決まるまでの「離職(ブランク)期間」も含めて継続して消化されます。転職によって期間がリセットされるわけではありませんので、最初の就職日から数えて3年間の枠内でサービスを利用することになります。

② 支援の対象は会社ではなく「個人」の安定

定着支援は、特定の会社に依存したものではなく、利用者ご本人の障害特性、生活習慣、日々の体調の波といった課題に伴走するための福祉サービスです。そのため、残りの支援期間がある状態であれば、転職後の新しい職場に対しても、引き続き支援員が定着面談や環境調整(合理的配慮の再交渉など)を実施することができます。

2. 転職時も定着支援をスムーズに継続するための戦略と注意点

定着支援を途切れさせることなく、新しい会社へ確実に引き継ぐためには、転職活動中における能動的なアクションが極めて大切になります。

① 定着支援事業所との密な連携(最重要)

「現在の職場が自分に合わない」「新しい環境に挑戦したい」と考え始めた最初の段階で、必ず定着支援の担当スタッフに相談を行ってください。

情報の先回り共有: 転職の具体的な理由、希望する職種、新しい会社に求めたい合理的配慮の内容などを包み隠さず共有します。支援員があなたの現状を正確に把握していれば、次の企業の採用担当者に対し、あなたの持つ強みや体調管理の現状をプロの視点から代わりに説明してくれたり、面接後のフォローアップを代行してくれたりするため、転職成功率が飛躍的に高まります。

② 離職(ブランク)期間を最小限に抑える

次の就職先が決まるまでの空白期間が長引くと、せっかく整っていた規則正しい生活リズムが崩れ、メンタルや体力に悪影響を及ぼすリスクが高まります。

A型事業所での訓練経験の応用: ディヤーナ松本などのA型事業所で給与を得ながら徹底して身につけた「規則正しい起床・就寝時間」や「自己管理のルーティン」を、離職期間中も自分自身で厳格に維持し続けましょう。ブランク期間をアクティブに過ごす姿勢こそが、次の会社での早期定着を確実にするための何よりの薬となります。

③ 新しい企業へのスムーズな情報・手続きの共有

転職先の企業が決まった際には、選考時または内定後の早い段階で、定着支援員を交えて企業側へ以下の情報を適切に伝達します。

前職での成功パターンの移植: 前の職場で効果のあった合理的配慮(例:静かな席の配置、休憩の定期的な取り方、タスクの指示書の視覚化など)や、A型事業所の雇用契約に基づく高い出勤実績を共有します。また、転職にともないお住まいの自治体(市区町村の障害福祉窓口)で就労定着支援サービスの契約変更手続きが必要になる場合があるため、支援員の指示に従って速やかに手続きを完了させましょう。

3. A型事業所の経験が次の転職活動に活きる理由

定着支援が継続されるかどうかという制度上のメリットだけでなく、就労継続支援A型事業所で雇用契約を結んで働き、毎月最低賃金以上の給与を得ていたというリアルな職務実績は、あなたの転職活動において非常に強力なアドバンテージとして働きます。

職務経歴としての安定性: たとえ「最初の一般企業を短期間で退職してしまった」という事実があったとしても、その前にA型事業所で1年や2年といった長期の安定就労実績を積み上げていれば、企業側は「決して就労能力がないわけではなく、前職との環境のミスマッチが原因であり、適切な配慮があれば本来は安定して働ける人材だ」と前向きに評価してくれやすくなります。

失敗から学ぶ自己分析力: 最初の一般就労で「なぜ定着が難しかったのか、どのような環境要因がストレスになったのか」を客観的かつ冷静に分析し、その教訓を次の会社への明確な『合理的配慮の希望条件』へアップデートして活かすことができます。定着支援員は、この客観的な振り返りや企業への交渉をすぐ側でトータルサポートしてくれます。

4. まとめ:定着支援は一般就労の強力なセーフティネット

就労定着支援サービスは、A型事業所での実際の勤務経験と確かな雇用実績を土台にして、一般就労へのステップアップを長期にわたり守り続けるための強固なセーフティネットです。

最初に一般就職した日から起算される3年間(36ヶ月)という期間内であれば、途中で職場が変わる転職をしたとしても、その専門的なサポートは途切れず継続されます。自分一人でキャリアの悩みを抱え込まず、ディヤーナ松本で培った自己管理能力を信じ、定着支援の担当スタッフと密なコミュニケーションを取りながら、あなたの障害特性に最もマッチした安心できる長期的なキャリアを確立させていきましょう。

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