国民年金保険料の免除:A型事業所での就労と制度利用

2026.03.11

国民年金保険料の免除:A型事業所での就労と制度利用

はじめに就労継続支援A型事業所(A型)で働くことは、給与を得て雇用保険や労災保険に加入するなど、社会的な自立を促します。しかし、A型事業所の利用者の中には、国民年金保険料の支払いが経済的に難しい方も多く、免除制度を利用しているケースが一般的です。

「A型事業所で給与を得ていても、国民年金保険料は免除できるのだろうか?」「免除しても将来の年金受給額は減らないのだろうか?」

このコラムでは、A型事業所の給与所得者が利用できる国民年金保険料の免除・納付猶予制度の仕組みと、将来の年金に与える影響について解説します。


目次


1. 国民年金保険料の免除制度とは

国民年金保険料の免除・納付猶予制度は、所得が少なく保険料を納めることが困難な方のために、将来の年金受給権を確保し、年金額の減額を最小限に抑えるための仕組みです。

A型事業所の給与所得者は第1号被保険者か第2号被保険者か

A型事業所の利用者が加入する年金制度は、雇用契約の内容によって異なります。

被保険者の種類 加入条件 年金保険料の取り扱い
第2号被保険者 厚生年金に加入(社会保険の扶養から外れている、週の所定労働時間が長い方) 保険料は給与から天引きされ、免除制度の利用は不要。
第1号被保険者 厚生年金に未加入(扶養内、または週の所定労働時間が短い方) 自身で国民年金保険料を納める義務があり、免除制度の対象となる

本コラムの「免除制度」は、主に国民年金の第1号被保険者に適用されるものです。


2. 免除制度の申請と所得基準

国民年金保険料の免除は、申請者本人、配偶者、世帯主の前年所得に基づいて審査されます。A型事業所の給与所得(課税対象)も審査の対象となります。

① 免除の種類と所得の目安

免除制度には、全額免除、4分の3免除、半額免除、4分の1免除、および納付猶予(50歳未満)があります。

  • 審査基準: 申請者本人、配偶者、世帯主それぞれの前年の所得が、法令で定められた基準額以下であることが条件です。
  • 全額免除の目安: 「(扶養親族等の数+1)× 35万円 + 32万円」以下の所得。A型事業所の給与が比較的低額であれば、全額免除の基準を満たしやすい傾向にあります。

② 申請方法

免除申請は、お住まいの市区町村役場の国民年金担当窓口または年金事務所で行います。

  • 手続きの時期: 毎年7月から翌年6月分までの保険料について審査されます。継続して免除を受ける場合は、毎年申請が必要です。

障害者控除の重要性

免除の審査に使われる「所得」の計算においても、障害者控除(27万円または40万円)が適用されます。A型事業所の給与所得からこの控除額が差し引かれるため、課税所得が低くなり、免除の基準を満たしやすくなります。


3. 免除制度のメリットとデメリット

免除制度を利用する最大のメリットは、将来の年金受給資格を維持しながら経済的な負担を軽減できる点です。

🟢 メリット:将来の年金受給権を確保

保険料を未納にした期間があると、将来、老齢年金を受給するために必要な「加入期間10年」を満たせなくなるリスクがあります。免除制度を利用すれば、免除期間も加入期間に算入されます。

  • 全額免除の場合: 将来の年金額は、保険料を全額納付した場合の2分の1として計算されます(国庫負担により、本来の納付月数の2分の1が年金額に反映されます)。
  • 納付猶予の場合: 将来の年金額には反映されませんが、受給資格期間(10年)には算入されます。

🔴 デメリット:将来の年金額は減額される

免除制度を利用すると、将来の年金額は全額納付した場合よりも減額されます。しかし、未納として放置するよりも、免除制度を利用する方がはるかに有利です。

追納(あとから納付)の活用

免除制度の承認後、10年以内であれば、免除された期間の保険料を「追納(あとから納めること)」できます。

  • 追納のメリット: 追納することで、将来の年金額を全額納付した場合の金額まで回復させることができます。
  • A型事業所の給与: A型事業所での勤務が長期化し、給与が安定してきたら、追納を検討することで、より安心できる老後資金を準備できます。

4. まとめ:免除申請は「将来の自分」への投資

就労継続支援A型事業所で給与を得ている場合でも、国民年金保険料の納付が難しい場合は、免除制度の申請をためらわないでください。この制度は、経済的な困難を抱える方を支援し、将来の年金受給権を確保するための重要なセーフティネットです。

手続きに関する不明点や、障害者控除を考慮した所得計算について知りたい場合は、お住まいの役場または年金事務所に相談しましょう。

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