障害年金を申請するタイミングは?A型事業所での就労中も可能?
はじめに
障害年金は、病気やケガによって生活や仕事に支障が出ている方が、国から受け取ることができる公的な年金です。就労継続支援A型事業所(A型)で給与を得て働く方でも、受給資格があれば申請は可能です。
しかし、申請には適切なタイミングがあり、それを逃すと受給が遅れたり、申請が認められなかったりする可能性があります。「A型事業所で働いていても障害年金は申請できるの?」「いつ申請するのがベストなの?」
このコラムでは、障害年金の申請時期の基本ルール、A型事業所での就労中における申請の注意点、反映すべきサポート体制について解説します。
1. 障害年金申請の基本ルール:大切な「初診日」と「請求の時期」
障害年金(障害基礎年金・障害厚生年金)の申請において、最も重要な基準となるのが「初診日」と、そこから「1年6ヶ月経過した日」です。
① 初診日の確定
定義: 障害の原因となった病気やケガについて、初めて医師または歯科医師の診察を受けた日です。
重要性: 初診日が、「加入要件」(初診日時点で年金制度に加入していたか)や、「保険料納付要件」(初診日までに保険料を一定期間納付していたか)を満たしているかを判断する基準となります。
② 請求が可能となる時期(障害認定日)
原則として、初診日から1年6ヶ月が経過した日が「障害認定日」となり、この日から年金の請求が可能となります。
- 請求のタイミング: 障害認定日以降、「現在も障害の状態にある」ことを医師に証明してもらい、申請手続き(障害認定日請求)を行います。
- 例外: 病状が固定したときや、人工透析を開始したときなど、1年6ヶ月を待たずに請求できる特例(特例認定日)もあります。
2. A型事業所での就労中も申請は可能か?
結論として、就労継続支援A型事業所で給与を得て働いている方でも、障害年金の申請は可能です。
🏢 「働くこと」は支給停止の理由にならない
障害年金は収入(給与)によって支給が停止される制度ではありません。A型事業所での雇用契約に基づく就労は、あくまで「経済的な自立を目指す努力」と見なされます。
審査の焦点は、「障害の状態が、年金法で定める等級(1級、2級など)に該当するかどうか」にあります。
🚨 重要な注意点:「働く上での困難さ」を明確に伝える
審査において、A型事業所での就労実績は、「働くことができている=障害が軽快している」と誤解されるリスクがあります。これを避けるために、以下の点を詳細に伝える必要があります。
就労状況等申立書: A型事業所の職員(サービス管理責任者など)と連携し、「職員のどのような支援(合理的配慮)を受けながら働いているか」を詳細に記載します。
支援がなければ安定就労は困難であることを客観的に伝えることが重要です。
診断書を作成する主治医には、給与額ではなく、「業務遂行に必要な配慮の内容」「体調の波」「日常生活の困難さ」といった、働く上での真の困難さを正確に伝えましょう。
3. 申請のベストなタイミングとA型職員の役割 🤝
ベストなタイミング: 障害認定日(初診日から1年6ヶ月後)を迎えた後、主治医と相談し、「現在も病状が不安定で、生活や仕事に支障が出ている」状態であることを確認してから申請に取り掛かるのがベストです。
A型職員の役割(サポート)
A型事業所の職員は、年金申請に関する手続き自体は代行できませんが、以下の就労面でのサポートを行います。
- 情報提供: 障害年金専門の社会保険労務士や相談支援専門員との連携を支援します。
- 証明書の作成協力: 申請に必要な就労状況等申立書や、職場での合理的配慮に関する証明書の作成に協力します。
4. まとめ:申請は「初診日」から逆算して準備
障害年金の申請は、A型事業所での就労中も可能であり、給与を得ていることが支給の障害になることは原則ありません。
最も重要なのは、「初診日」を明確にし、「障害認定日」を待って申請に取り掛かることです。安定就労を継続するためにも、障害年金の経済的な支えを確保できるよう、職員と連携して準備を進めましょう。

