はじめに:発達障害を正しく理解する大切さ
就労継続支援A型事業所を利用される方の中には、発達障害の診断を受けている方や、ご自身の特性に悩んでいる方が多くいらっしゃいます。発達障害は、「育て方が原因」や「わがまま」といった誤解を受けやすいものですが、これは脳機能の特性によるものです。
このコラムでは、発達障害が具体的にどのような特性を持つのかを分かりやすく解説し、その上で、松本市にある私たちディヤーナ松本が、特性を「苦手」ではなく「強み」として活かすために、どのように就労支援を行っているかをお伝えします。
【目次】
1. 発達障害とは?主な特性と誤解を解く
発達障害は、生まれつきの脳機能の偏りによって、社会生活や学習、コミュニケーションなどに特有の困難が生じる状態の総称です。主に以下の3つのタイプに分類されます。
(1) 自閉スペクトラム症(ASD)の特性
- 特徴: 対人関係やコミュニケーションの困難、特定の物事への強いこだわり、感覚の過敏さや鈍感さがあります。
- 誤解されやすい点: 「空気が読めない」「人に関心がない」と誤解されがちですが、実際は人間関係でどう振る舞えばいいか分からず、深く悩んでいることが多いです。
- 強み: 強い集中力、高い記憶力、ルールや手順を正確に守る能力が高い傾向にあります。
(2) 注意欠陥・多動症(ADHD)の特性
- 特徴: 不注意(集中力の維持が難しい、ミスが多い)、多動性(じっとしていられない)、衝動性(考えずに行動してしまう、順番が待てない)があります。
- 誤解されやすい点: 「だらしない」「やる気がない」と誤解されがちですが、これは脳の特性によるもので、本人の努力不足ではありません。
- 強み: 行動力がある、興味を持ったことへの集中力が非常に高い、発想力が豊かである傾向にあります。
(3) 学習障害(LD)の特性
- 特徴: 全般的な知的発達に遅れはないものの、「読む」「書く」「計算する」など特定の分野での学習に著しい困難が生じます。
2. ディヤーナ松本が特性を「強み」に変える支援
発達障害の特性は、職場で生かすことで大きな強みになります。松本市のディヤーナ松本では、多様な業務と個別支援を通じて、その強みを引き出しています。
視覚優位を活かす業務:
DTFプリントTシャツ制作やお土産品の封入作業では、作業手順をマニュアルやチェックリストで視覚化しています。これにより、ASDの方が持つ正確性やルール順守の強みを存分に発揮できます。
多様な業務で集中力をコントロール:
ホテル清掃業務(体を動かす)と事務代行業務(PC作業)など、多様な仕事があるため、ADHDの方が持つ集中力の波に合わせて、業務をローテーションできます。一つの作業に飽きることなく、意欲的に取り組めます。
「報連相」の個別トレーニング:
コミュニケーションに困難を感じる方には、個別面談やシミュレーションを通じて、業務上の報告・連絡・相談のスキルを丁寧にトレーニングします。対人ストレスを減らし、円滑な人間関係をサポートします。
Q&A:発達障害と就労に関するよくある質問
- Q1. 自分の特性を職場で理解してもらえますか?
- A. はい、ご安心ください。ディヤーナ松本では、特性を前提とした個別支援計画を作成します。スタッフ全員がその特性を理解し、指示の出し方や業務の割り振りに配慮します。
- Q2. 強いこだわりや衝動性が仕事の邪魔にならないか不安です。
- A. むしろ、こだわりを活かすことを考えます。ASDの方の「完璧にしたい」というこだわりは、Tシャツの検品など高い正確性が求められる作業では大きな強みになります。衝動性については、休憩や環境調整を通じてサポートします。
- Q3. 診断書がなくても、特性を考慮した支援を受けられますか?
- A. はい。診断の有無にかかわらず、個別面談や体験利用を通じて、あなたの得意なことや苦手な環境を把握し、それに基づいた支援を行います。

